椎間板に起こっている「ヘルニア」について
ヘルニアについての解説です。
ヘルニアを知ろう
腰椎椎間板ヘルニアを理解するにはその「実体」である「椎間板」に何が起こっているのかを知る事が必要不可欠です。
何故なら、「椎間板がヘルニア状態になっている」のが椎間板ヘルニアだからです。
これがヘルニアだ
おさらいになりますが、椎間板は内部組織の「髄核」と外殻組織の「繊維輪軟骨」から成立している組織です。
そして「ヘルニア」とは「飛び出した状態」にある事を指します。
では、椎間板の何が飛び出して「ヘルニア」となるのか。
クッション材の髄核です。
そうなのです。腰椎椎間板ヘルニアの「ヘルニア」の正体とは髄核が負荷を吸収しきれずに、繊維輪軟骨を突き破る(押し出す)事によって「飛び出す状態」になる事なのです。
髄核がミミズの様に飛び出しているのがわかります。
そして、あの「ビリビリ!!」とする神経痛の正体とは「飛び出した髄核」が脊髄神経に接触する事で起こる悲劇です。
如何でしょうか。ここまで理解をされた方は、既に腰椎椎間板ヘルニアについての基本的な理解は全て完了したと言って良いでしょう。
これがヘルニアの正体だ!
ヘルニアを知ったら次の一手へ!
ヘルニアの基本はこれでわかりました。さぁドンドン前に進みましょう。
腰椎椎間板ヘルニアの本質とは「神経圧迫」である事は既に述べた通りです。ならばその神経圧迫を取り除く最適な方法を模索すればいいのですから。
腰椎椎間板ヘルニアは放置をしていて良い疾患ではありません。ですが、必要以上に怯える事はありません。
初めての神経痛を経験された方はとにかく不安で一杯だと思います。
な、なんじゃこりゃぁぁ~!
そんな時にやってくる思いがけない「手術の提案」「一生ものとの宣告」は余りに心をえぐります。
俺はもうそこまで来てるのか。。。
ヘルニア患者に欝の気が見られ易いのは間違いなく漠然とした不安感と焦燥感です。
ヘルニアで悩んでいる患者の皆様。腰痛治療ナビのスタッフも元椎間板ヘルニア患者であり、手術宣告をされた者が多数在籍しています。
ですが、今ではすっかり元気に働いています。
大切な事は決して諦めないことです。
諦める前にやってみる価値のある事は全て実践してみてください。
自分の知らない事をとことん学んでください。
自分に可能な選択肢の半分も知らないような状態で、一生を諦めるのは早過ぎます。
(同)腰痛治療ナビは元椎間板ヘルニア患者として、今腰椎椎間板ヘルニアで悩んでいる患者さんをでき得る限り、サポートさせて頂きます。
痺れ / 痛みのメカニズム
腰椎椎間板ヘルニアの代表的な症状は「全てを諦めてしまう」くらいの強烈さを誇る「ビリビリビリ!!」いわゆる「神経痛」です。
また、腰椎椎間板ヘルニアは殆どの場合、慢性的な腰痛等を抱えている患者さんが「ぎっくり腰」などの「引き金」を引いて呼び込んでしまう疾患です。
つまり、突然襲い掛かってくる神経痛の前に既に「腰痛」に悩んでいるケースが多いのです。
魔界の扉を開いてしまった。。。
ただでさえ「腰痛」に悩んでいたところに経験したこともないような「ビリビリ!!」が襲い掛かってくる為に、「精も根も尽き果ててしまう」という訳なのです。
では、この「ビリビリ!」は一体何処からやってきたのでしょうか。
こうして我が家にやってきた「痺れ」
ほんの少し前までは痛みにだけ耐えておけば良かったというのに、今度は神経痛にも神経を磨り減らされるようになってしまった患者さんの「不安・焦燥」を軽減する為には、その痺れ/痛みのメカニズムを把握する必要性があります。
だから痺れているのか
と、その痺れのメカニズムを把握し、自分でもしっかり対処できるようになってください!!
神経圧迫が基本
ヘルニアの神経痛は「神経圧迫」が原因とされます。「血流障害」が関わるとも考えられますが、実は医学でもそこまで解明されてはいません。
ただ、腰椎椎間板ヘルニアの神経痛症状において、大体のケースは「神経圧迫」とされています。
「『腰椎』に発生した『椎間板』の『ヘルニア』が、真後ろを縦断していた『脊髄中枢神経』を『圧迫』してしまう」
このメカニズムで神経痛が引き起こされます。
ヘルニアと診断された患者さんの多くが腰椎MRI検査の結果、脊髄を圧迫しているヘルニアの姿をご覧になっているのではないでしょうか。
それが脊髄中枢神経を圧迫している限り、神経痛はやってくるという事です。
ですが、逆転の発想をしてみるとどうでしょうか。
神経圧迫が無くなれば痺れは消える?
神経痛の原因が神経圧迫であれば、それは至極当然の事です。
では、何故に腰椎椎間板ヘルニアは「不治」と言われているのでしょうか。※筆者は皆にそう言われた。
そこにはほんの少し柔軟性のある思考が必要です。
元には戻れないから不治
確かにヘルニアを引き起こした椎間板は「発症前と全く同じ状態の『髄核』『繊維輪軟骨』のバランスに戻る」事は不可能です。
亀裂の入った髄核~椎間板は元には戻れません。そういった意味なら確かに「不治」でしょう。
不可逆的と言った方がしっくり。
ですが、腰椎椎間板ヘルニア患者の願いはそこにはありません。今のこの苦しみ(痛み/痺れ)を何とか改善したいという想いです。
だからこそ、整形外科やペインクリニックでのブロック注射、鎮痛剤内服、座薬といった薬による即効性の鎮痛治療が第一選択肢に上がり易いのだといえます。
腰痛治療ナビでは患者さんにこう提案しています。
ヘルニアがそのままでも、繊維輪軟骨に亀裂があっても、いいじゃないですか。
大切なのは『発症前の生活』に戻れる事ではないですか?
そうなのです。躍起になって「ヘルニアが全くなくなったかな?」「髄核が減ってないかな?」といった事を気にする必要などはないのです。
ヘルニアになってしまったからといって、元の生活に戻れないと言う訳ではないのです。
勿論、痛み/痺れ などと仲良く暮らしていきましょうともいいません。
普通にヘルニアを克服し、発症前の生活へと戻りましょう、という提案なのです。
ヘルニアが残っているからといって激痛や痺れが常にあるわけではありません。
繊維輪軟骨に亀裂が入っているからといって、痺れや激痛が必ずくるわけではありません。
ヘルニアを患った身体を知り、ヘルニアを再発させない為の方法論を学べば全く違った意味での「共存」が可能なのです。
腰痛治療ナビでは人生を謳歌するヘルニア患者さんを応援しています!!
筋肉の炎症による痛みも立派なヘルニアの症状
椎間板ヘルニアは突発的な過負荷によって「最後の引き金」が引かれる症状です。
そして、その「最後の引き金」として良く見られるのが「ぎっくり腰」になります。
長年の蓄積によって弱りきっていた腰には十分過ぎるくらいの止めの一撃と言えるでしょう。
勿論、「ぎっくり腰」以外にも「重たいものを持った」「勢い良く振り返った」といった様々な原因があるのですが、どちらにしても、腰を痛めてしまうという事に変わりはありません。
ヘルニアの神経痛が発症した時には、セットで「筋肉の炎症反応」もまた多いのです。
ですが、「痛み」と「痺れ」は全くの別ものだと考えてください。
- 「痺れ」は神経圧迫が主な原因
- 「腰の痛み」は筋肉の炎症が主な原因
同時に引き起こされた腰の悲劇ではありますが、しっかりと「2つ」として見極め、適切な対処が求められます。